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公益財団法人 全国高等学校体育連盟

研究部長  高野 学

平成30年にスポーツ庁から示された「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では、「学校の運動部活動は、体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図り、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、生徒の多様な学びの場として、教育的意義が大きい。」と記され、また、令和4年度から実施される新学習指導要領においても、「部活動は生徒の健全育成に資するものがあり、学校教育の一環として教育課程と関連が図られるようにすること。」と記されています。運動部活動指導者は、ここに記されている部活動の意義そして学校教育における部活動の重要性について、部活動を通じて日々成長する高校生の姿を見て実感している人が多いと思います。

しかし、今日において運動部活動は、勝利至上主義が起因と思われる体罰・行き過ぎた指導、長時間練習の弊害が指摘されたり、働き方改革に伴い部活動指導者の勤務の在り方が問われたりするなど、部活動を活性化させ持続的な活動にしていくために解決しなければならない課題が山積しています。

高体連は、「高校生の健全育成を促し、スポーツ活動の普及と発展を図る」ことを目的として、「大会運営」及び「研究活動」の2つの事業を車の両輪に例え取り組んでいます。特に、指導者による「研究活動」は、高体連の目的の実現を目指し、先に上げた部活動に関わる諸課題を解決に導き、部活動の更なる活性化そして持続的な活動へと繋ぐ、重要な事業として位置付けています。

全国研究大会は、毎年1月に行われています。「競技力の向上」、「健康と安全」、「部活動の活性化」の3つのテーマで、選ばれた都道府県代表による実践研究報告がなされています。そして大会に参加した各都道府県の研究部員は、報告された研究事例を持ち帰り各都道府県の学校および指導者に伝達しています。

指導者による研究活動そして指導者のための研究大会は、高校生の健全育成、部活動の発展に大きく寄与してきました。そして、今後も、本取組みが、部活動のさらなる活性化、持続可能な部活動の実現に向けて大きなウエイトを占めることは間違いありません。

本ホームページには、高等学校体育連盟全国研究大会紀要を始めとした研究活動に係る資料を掲載しています。ぜひ一度ご覧ください。そして全国高体連研究部についてご理解を深めていただき、本取組みにご賛同いただければ幸いと思っております。